司法書士の板倉と申します。

 私は、幸運にも自分が希望していた職業に就くことができ、充実した日々を過ごすことができておりますが、皆さんはいかがでしょうか。

自分の職業を決めるきっかけは人それぞれかと思いますが、私が自分の職業を決めるきっかけとなったのは、小学生の頃、母親が私に話してくれた法律の豆知識でした。今回は、それをクイズ形式で紹介させていただきたいと思います。

Q、アヴァ男は、隣地に植えられている木の根と枝が自分の敷地に入り込んでいることに気付き、隣人に無断で根と枝を伐採しました。その結果、その木は枯れてしまいました。隣人は『木が枯れてしまったからその損害を賠償しろ!!』と怒っています。アヴァ男は損害を賠償しなければならないのでしょうか?

 木そのものは隣人のものだから、例え根や枝が自分の敷地に入り込んでいても、アヴァ男は無断で切ってはダメ?それとも、隣人が所有する木の根や枝がアヴァ男の所有する土地に勝手に入り込んだのだから、隣人は無断で切られても文句はいえない?色々な考え方があるかと思いますが、法律は次のように規定しています。

A、法律上、自分の敷地まで入ってきた隣地の「木の根っこ」は自分で勝手に切ってもいいのですが、「木の枝」は自分で勝手に切ってはいけないことになっています(木の所有者に切らせることになります)。
(民法233)

 ですので、アヴァ男は「木の枝」を伐採したことで生じた損害については賠償しなければなりません。
木の枝は、根に比べると切断による竹木への影響が大きく、また竹木への景観等を重んじ、その所有者に植え替え等の機会を与えるためというのが理由です。

 私はこの話しを聞き、法律は意外に身近で面白いなあと思いました。母親がたまたまどこかで知ったこの話しを私に教えてくれて、そして、私がこの話しを聞いて面白いと思う年齢であったことが、私が今の仕事を選ぶきっかけとなりました。
そう考えると、人がどの職業を選ぶかはまさに運命ですね。こんな運命を与えてくれた母親に、改めて感謝している今日この頃です。