司法書士の髙屋です。
今回も本店所在地近辺の、私的名所の紹介をしたいと思います。

【船場センタービル・中央大通り】

突然ですが、皆さん「船場」という地名をご存知でしょうか?
豊臣秀吉が大阪城を築城した際に、堺や京都・伏見から商人を強制的に集めて城下町として形成させ、その後大阪の経済の中心として発展を続けてきました。
アヴァンス法務事務所本店も、この「船場」の北方に位置する「北浜」に事務所を構えています。
船場については歴史的な建造物も多く、折をみて紹介していきたいと考えていますが、今回の舞台は船場の中心を横断する「
船場センタービル・中央大通り」です。

なぜ、今回ビルと道を一緒に紹介するかというと、地下
2階、地上24階建ての船場センタービルの上を中央大通りが通り、さらにその上を阪神高速が通っており、しかもビルの地下に大阪市営地下鉄中央線が通っている、全国的にも珍しい都市開発がされているからです。

このような複雑な構造を採用した理由としては、近代大阪の交通事情と大阪万博、船場地区が都市計画が画策される前に既に完成された街区だったことに起因します。
船場センタービル・中央大通りが完成したのは
1970年ですが、それまでは江戸時代から続く繊維街でした。
また、大阪の中心地でありながら道路の幅員が狭く、渋滞が絶えなかったと聞いています。大阪万博を控え、近代都市としての体面を整えたい大阪市は、都市高速の網羅を含めた交通網を早急に整備する必要に迫られていました。
しかし、古い町である船場地区では昔から商売を営んでいる商人が多く、地権者の立ち退き問題に苦慮します。
その打開策として『その土地で商売させながらも、道路を通す=全長
1キロにも及ぶビルを建築し、その中で商売をさせ、そのビルを土台に上空に道路を通す。どうせなら地下鉄も作ってしまおう』という発想が生まれました。結果、船場センタービルは現在でも繊維街として知られています。

素晴らしい発想ですね。私も固定観念に凝り固まることなく、日々の業務に向き合っていきたいと考えております。

写真は工事中の船場センタービルと、現在の上空から眺める船場センタービルです。


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